日本の古書籍店で「和訓押韻」と検索すると、この古書に誘われる。そして2,700,000円だというから驚きである。
細川幽齋著 奧書「天正二十 辰壬 歳季春上澣 春龝五十九 幽齋玄旨判」とあるが幽齋公の真筆か?
古書店の解説によると「北岡本(現・永青文庫)は幽齋の姉の宮川尼の息子で甥にあたる近世狂歌の祖、雄長老(英甫永雄)の筆」とある。
今日本棚を整理していたら、ガリ版摺りの「和訓押韻」が見つかった。昭和37年に「西日本国語国文学会翻刻双書」の第一期(十四冊の下)として、限定131冊発刊されたもの1冊だが、北岡本を底本として全82頁がガリ版摺り謄写版である。
なんでこのようなものが私の手元にあるのか、よく思い出せないでいる。
一時期漢詩にふれてみたいと思ったとき、いわゆる「韻」というものがどういうものなのかを知りたいと思ったことがあり、そんな時期に手に入れたのだろう。
その後死蔵状態であった。大学の図書館にでも寄贈したいと考えているが、引き取っていただけるものかと首をかしげている。
しかし当時の研究者たちがガリ版を切ってこのような冊子を作られたことに驚嘆する。仇や疎かには出来ない代物ではある。