最近「漢文のルール」という本を買って、勉強をしているのだが、本を読んだくらいではなかなか理解できない。
いつも日本人というものは凄いなーと思うのは、「おこと点」や「返り点」を考え出して、漢文を訓読することを考え出したことだ。
同じ文章を「音読」する中国系の人々は、日本人の「訓読」のようにその文章を正確に理解できるのかと考え込んでしまう。
文字の持つ意味も多様であり、国家間の難しい文書など、通訳がさぞ大変な事だろうと思ってしまう。
訓読に当たっての読み方についても、「返読文字」とか「再読文字」とかが存在し、訓読漢文の格調の高さにつながっていて、よくぞこのような事が考え出されたと、先人の知恵に驚嘆させられる。
山本夏彦は「口語体」の文章になって、「文語体」の文章のような格調の高さが亡くなってしまったと慨嘆するが、これはまさしくそうであろう。
随分以前の事だが、日本における英語の草創期には、漢文同様レ点を入れたという話を聞いたことが有る。
おもわず笑いが込み上げてくるが、発想がなかなかユニークである。いつの時代にも優れたアイディアマンが存在するものだ。
なんとか異国の文章を読み解こうとする先人の知恵に、ただただ感嘆を覚えずにはいられない。